学校であった怖い話
＞七話目（風間・岩下）
＞T5

「でも、七人目が来るのなら待ちましょうか」
僕はいった。
七人目が来るというのが本当ならやっぱりその人の話を七話目として聞きたい。

「だめ！　私がここにきた意味がなくなっちゃうよ。七人目が来る前に、絶対私が七話目を話さないといけないの！」
その時、荒井さんが口を挟んだ。

「いいんじゃないですか？　こうやっていつまで待っていても、らちがあきませんし……。でしたら、彼女の話を聞いてもいいと思いますが。
……誰が七話目を話しても同じですよ」
確かにそうかもしれない。
これで、思いがけず面白い話が聞けたらもうけものだ。

しかし、危ない香りのする子だけど大丈夫だろうか？
そんな人に七話目をまかせて大丈夫かな？
僕の中で、期待と不安が入り交じる。

突然、彼女が僕の顔をまじまじと見た。
「あ、そうだ。坂上君、大事なことをいい忘れちゃった。私が、あなたを助けに来たわけ。
坂上君ね、私と結婚することになってるんだって。だから、おばあちゃんが助けに行きなさいっていったの。あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん」

なんだって！？
僕が、この子と結婚？
おばあちゃんが、いっていた？
……やっぱり、帰ったほうがよかったのかもしれない。
……どうしよう、風間さんも新堂さんも僕のことを見てニヤニヤ笑っている。

何だか、さっきまでの、むすっとした表情とは大違いだけれど……。
「ねえ、坂上君。私と結婚を約束してくれるなら、助けてあげるよ。七話目を話してあげる」
七話目を話すことと僕を助けることと、どういう関係があるんだ？

僕は、なんて答えればいいんだよ。
１．君と結婚するよと、心の底からいう
２．君と結婚するよと、嘘でもいう
３．そんなこと約束できないという