学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>A4

今日は疲れてしまった。
寝ることにしよう。
僕はベッドにもぐり込んだ。
目を閉じると、暗闇の中に白いものが浮かんでいるのが見えた。
あの少女の仮面だ。

あれ以来、記憶に焼きついてずっと忘れられない、無表情な能面。
僕を脅すように、あるいはあざ笑うように、虚空に浮いている。
これでは、とても眠れそうにない。
僕はあきらめて、目を開けた。

頭の上に、あの仮面が浮かんでいた。
息を飲む。
何でこんなところに!?
しかし、伸ばした手には感触がなかった。
幻覚!?
僕は幻覚を見てしまうほど、追い詰められていたのだろうか。

頭の上には、まだ仮面が浮かんでいる。
試しに目を閉じると、暗闇の中にも仮面は浮かんでいる。
でもこれは、僕の記憶の中の仮面だ。
目を開けたときに見える、あの幻覚とは、全然リアルさが違う。

目を開ける。
浮かんでいる仮面。
僕は仮面に取りつかれたのか。
一生、この仮面につきまとわれて生きるのだろうか。
そう思っただけで、鳥肌が立った。

そんなのは嫌だ!
どうしよう。
どうすればいい?
……その時、天の啓示が下った。

そうか、何で思いつかなかったんだろう。
目が見えなくなればいいんだ。
そうすれば、もし仮面が浮かんでいても、僕にはわからない。
目を閉じたときの方は、心配いらない。

記憶はいつか薄らいでいくものだ。
なんて冴えてるんだ。
僕は自分をほめてやりたくなった。
善は急げだ。

確か、引き出しにハサミが入っていたっけ。
それとも、コンパスの方がいいだろうか。
僕はクスクスと笑いながら、机の引き出しを開けた。

あの仮面があった。
仮面は、引き出しの真ん中に、誰かが置いたようにていねいに置かれていた。
旧校舎を出るときになくなっていたあの仮面。
それが、僕の家の勉強机の引き出しにある。

ここにあの仮面があるということは、何を意味するのだろう?
1.自分も誘われている
2.あの彼女からの贈り物
3.自分はまだ夢を見ている