晦−つきこもり
>二話目(山崎哲夫)
>Z8

自分は、そいつにしつこく聞いてみたんだ。
するとそいつは、ばつが悪そうに答えた。
「悪い……。いわなかったのが悪いんだが、ちょっと……。……用を足しにな……」
「………………………………」

それから、何事もなく、進んでいった。
でも、結局ロッククライミングができるような崖なんか、見つからなかったよ。
つまりロッククライミングができる崖があるってのは、嘘だったんだ。
自分らはがっかりしてな。
旅館に帰ることにしたんだよ。

帰りは、来たときと違うところを通って帰ったんだ。
あの狸の死骸の所になんか、近づきたくなかったからな。
幸い帰りは、何事もなく帰ることができたよ。
結局あの森には、何もなかったわけさ。

まさに、『骨折り損のくたびれ儲け』ってわけだ。
………………………………。
「……ちょっと待って、哲夫おじさん。今の話のどこが怖いわけ?」
私は、思わず哲夫おじさんにそういってしまったの。

すると、哲夫おじさんは……。
そう焦るなよ、葉子ちゃん。
話には、まだ続きがあるんだから。
それとも、もう自分の話は聞き飽きたのかい?
1.聞き飽きた
2.そんなことはない


◆3番目の選択肢で「3.宇宙人」を選んでいる場合
2.そんなことはない