晦−つきこもり
>二話目(前田良夫)
>A4

あっそ。
葉子ネエって、やっぱハズしてんな。
肝試しも悪かないけどさ、どっちかっていわれりゃ怪談だよ。
肝試しなんて、ガキのすることだもんな。
それに、俺って怖い話が大好きじゃん。

たくさん覚えて、葉子ネエとかに話してやるのも、面白いと思ったんだ。
葉子ネエは怖がりのくせに、こういうの好きだもんな。
とにかく消灯後、俺たちはこっそり集まった。
ところが、十五人以上来るはずなのに、七人しか来ないんだよ。

ビビッたのか、先生に見つかったのか……。
だけど、いつまでもグズグズしてらんない。
俺たちまで先生に見つかったら、たまんないもんな。
どうせまた、正座とかさせられるんだぜ。

この歳になって、正座なんてやってられっかよ。
とにかく、打ち合わせ通り、俺たちは二組に分かれた。
怪談組は俺ともう三人、残りの三人が肝試し組だ。
そいつらを見送ったあと、俺たちは三階の布団部屋へ行ったんだ。

予備の布団とかシーツが置いてある部屋で、昼間でも暗いんだよな。
そこなら人も来ないし、怪談にはうってつけじゃん。
丸く座った真ん中に、懐中電灯を置いて、準備完了だ。
早速、一人が話し始めたんだ。

そいつがどんな話をしたか、聞きたい?
1.聞きたい
2.聞きたくない