晦−つきこもり
>三話目(前田和子)
>A4

「ワン、ワンッ!!」
もう、とにかく吠えるしかないわよね。
そんな私を見て、女の子はくるりと向きを変え、どこかに行こうとしたの。
ああよかった、って思うでしょ?

でも、それで終わりじゃなかったの。
だって、女の子の手には、つるつるのボールが握られていたんだもの。
それがね、病院の帰りに見つけたボールと、同じ色だったのよ。

なんだか気になるじゃない。
1.うん、確かに
2.べつに気にならない
3.私が気になるのは泰明さんのことだけ