晦−つきこもり
>四話目(真田泰明)
>X3

いや、
「これで最後です」
と言って謝ったらしい。
そしたら、もう一度、探せと怒鳴られたらしいんだ。
でも、無いものはないんで、ただひたすら謝ったんだよ。
そうしたら、監督がこう怒鳴ったんだ。

「もういい自分で探す」
そして、監督は倉庫に入って行った。
しばらくして、彼は倉庫から戻ってくると、古ぼけたテープを持って来た。
「これを聞かせてくれ」
監督はそういいながらテープを北田君に渡したんだ。

(あれ、まだ、あったのか………)
北田君は不思議に思ったそうだけどさ。
あまりにもボロボロだったんで、使いものにならないと思ったそうだ。

しかし結果は違った。
数秒間、だれ一人、動けなくなった。
余りにも凄い悲鳴だったんだ………。
そして、監督が声を振わせながら、その沈黙を破った。

「………O、OK!」
それでも、また数秒間沈黙が続いて、仕事が終わったという気持ちが込み上げてきたのは、また、しばらくしてからだったらしい。
でも、それが悪夢の始まりだったんだ。
ほんとうの悪夢の……………。

葉子ちゃんだったら、この悲鳴を使うかい?
1.使うと思う
2.使いたくない