晦−つきこもり
>四話目(前田和子)
>AA8

あわてちゃ駄目。
部屋の中のものを適当に持っていって、うまくごまかそう。
扉が開かなかったのは、哲夫おじさんの気のせいだといい張ろう。
まず、部屋の電気を……あれ?
電気のスイッチ、どこかしら。
あ、あれ……?
やだ、わからないわ。

ちょっと、いったん部屋を出よう。
……あれ?
扉が開かない。
鍵が……開かないっ!!
「葉子ちゃん、みんなを連れてきたよ!!
大丈夫か?」
哲夫おじさんが戻ってきた。
やだ、本当に開かないよ!!

「葉子、大丈夫!?」
由香里姉さんの声。
「葉子ネエ、ダッセー!」
良夫……許せないっ。
「葉子ちゃん、
葉子ちゃんっ!!」
哲夫おじさんが扉を叩く。
「大丈夫、自分が絶対助けてやる!!」

て、哲夫おじさん……!
1.素敵……
2.くさいわ