晦−つきこもり
>四話目(山崎哲夫)
>F10

そうだよな!
普通は我慢できないよな。
自分もそうだったよ。
それに、向こうは好意でいってくれてるんだ。
断わったりしたら、失礼じゃないか。

自分は喜んでご馳走になったよ。
いやぁ、実にうまい食事だった。
「いかがでしたか? 雨にうたれた後に食べる温かい食事っていうのは、何よりも素晴らしい価値があると思いませんか?」
彼は、そういって、ココアのおかわりを注いでくれたよ。

「まったく、自分もそう思います。
特に、このココアのうまいことったら……!」
自分は、心地好い満腹感を味わってた。
けっきょく、その日は夜を徹して語り合い、彼と別れたのは、翌日、日が高くなってからだったんだ。

また、どこかで会えることを願って……。
どうだい? 葉子ちゃん。
冒険家っていいもんだろう?
1.ステキね
2.どこが……?