晦−つきこもり
>四話目(山崎哲夫)
>T4

「哲夫おじさん、早く話を始めて欲しいんですけど……」

「……ん? ああ、わかってるぞ。
どの話にしようか迷ってたところなんだ。自分は世界をまたにかける冒険家だからな。恐ろしい目に遭うことだって、たくさんありすぎて大変なんだ。ふあーぁ……」
あーっ、哲夫おじさんたら大アクビなんかして……!!

考えごとしてるのかと思ったら、居眠りしてたんじゃない!
珍しく真剣な顔してると思ったのに。
やっぱり哲夫おじさんの脳細胞は、筋肉でできてるのかもしれない……。
「よーし、あの話にしようかな……」

哲夫おじさんは嬉々として話し始めたわ。

……あれは、いつ頃のことだったか。
自分は一人、山を登っていたんだ。
なんて山だったか忘れたが、自分のような冒険家が足馴らしに登るっていう、わりとけわしい山だったな……。
……葉子ちゃん。

山で一番恐ろしいものが何かわかるかい?
1.熊
2.雨
3.幽霊
4.わからない