晦−つきこもり
>四話目(山崎哲夫)
>V5

「やっぱり駄目!」
考えごとしてると思ったから、そっとしておこうと思ったんだもん。
居眠りなんてとんでもないわ。
起こさなきゃ!!

「哲夫おじさん! 起きて! ねぇ起きてよ!!」

「うーん、……ん? ああ、わかってるぞ。どの話にしようか迷ってたところなんだ。自分は世界をまたにかける冒険家だからな。恐ろしい目に遭うことだって、たくさんありすぎて大変なんだ。ふあーぁ……」
あーあ、大アクビなんかしちゃって……。
「じゃあ、話を始めようか……」

……あれは、いつ頃のことだったか。
自分は一人、山を登っていたんだ。
なんて山だったか忘れたが、自分のような冒険家が足馴らしに登るっていう、わりとけわしい山だったな……。
……葉子ちゃん。

山で一番恐ろしいものが何かわかるかい?
1.熊
2.雨
3.幽霊
4.わからない