晦−つきこもり
>五話目(前田和子)
>B13

「えーと、風間さんは、和子おばさんのことを素敵だっていっているようです」
私が言葉をにごしていうと、和子おばさんは口に手をあてた。
……と思ったら、はにかみながら微笑み、次の質問を始める。
「風間さん、じゃあ、私とのダンスはどうですか?」

どうっていわれても。
まわりくどい言い方はよして、早く風間さんとやらの気持ちをきいてほしい。
でないと、私は何をしでかすかわからないもの。

頭の中が、もやもやして変な気分。
風間さんの雑念が渦巻いてる感じ。
自分が自分でなくなってしまったみたい。

(……和子。君と一緒のダンスは最高さ。君のように素敵な女性と一緒にいたら、楽しいに決まっているだろう?
それは、事実。永遠の事実なんだよ。と、いうわけで。明日の朝ごはんはハンバーグがいいな)

「ねえ、葉子ちゃん。彼はなんていってるの?」
……和子おばさん。
本当に、こんな人が素敵なの?
何かの間違いで、どこかの低級霊でも降ろしたんじゃないの?

この人、本当に訳わかんないんだけど。
もう、ヤケだわ。
どうしよう?
1.踊りながら神託
2.奇声をあげて退室
3.風間の言葉を伝言