晦−つきこもり
>五話目(前田良夫)
>A2

……なんか、引っかかるいい方だよな。
まあ、いいけどさ。
俺の話すのは、オバケ販売機の話なんだ。
学校行く途中の、通学路にあるんだけどさ。

何のロゴも入ってなくてさ、変な自動販売機なんだよな。
金入れると、見たこともないジュースが出て来るらしいんだ。
だから俺たち、オバケ販売機って呼んでるんだよ。
そこでジュース買おうとして、もしもドクロマークのついた缶が出てくると、呪われて死んじゃうんだって。

そんなのゴメンだっつーの、なあ。
なのに、わざわざ試そうとしたバカがいるんだよ。
成田って五年の男子で、友達の友達だから、俺の知り合いじゃないんだけどさ。
そいつが、オバケ販売機の謎を、調べようとしたんだって。

いつ、どのボタンを押したら、ドクロの缶が出てくるか、わかんないのにさ。
それで、百円玉と十円玉をたくさん用意して、オバケ販売機に行ったっていうんだ。
それでさ、早速、金入れてみたんだって。
オバケ販売機って、ボタンが三つ並んでるんだよな。

成田は、どのボタンを押したと思う?
1.一番右
2.真ん中
3.一番左

※実際の分岐先は3つで、ランダムになっている