晦−つきこもり
>六話目(鈴木由香里)
>H11

えっ!?
彼らが宇宙人だっていうの?
……そうかぁ、葉子もそう思うんだ。
実は…………そうなんだよね。
風間家の人たちって、地球に花嫁を捜しに来た宇宙人だったんだよ。
確か、スンダラリン…………。
……じゃないや。

スン……、スンバラリンだったかな?
とにかく遥か彼方の大宇宙からやって来た、宇宙人だったのよ。
その母星っていうのがさぁ……。
とても高度な文明を持っているようなんだけどね。

宇宙への侵略を始めた頃から、人口が減少する一方なんだって。
それで、このままじゃ星の存続自体が危ないってことになって、他の星から花嫁を迎えようって計画が実行されたんだってさ。
今回の、『風間家の人たち』みたいに……。

でもさぁ、けっきょくこのカップルは披露宴の後、即離婚。
……っていうか。
風間家の人たちが、こぞって姿を消してしまったのさ。
まぁ、あんな騒動を起こしちゃったからね。

それに……、ハネムーンが宇宙旅行ってばかりか、新居が何万光年も離れた星じゃあ、あの気の小さそうな新婦には、ついて行けない世界だと思うもん。
せっかく見つけた花嫁だったけど、どっちにしても離婚は確実だったんじゃん?

「だからさぁ。私、花嫁に立候補したんだ」
えっ!?
それって、風間さんに結婚を申し込んだってことよね。
離婚したばかりの人に、結婚を申し込むなんて。
しかも相手は、宇宙人だって話じゃなかったかしら?

由香里姉さんたら、なんて大胆な……。
みんなも、かなり驚いてるみたい。
ポカーンと口を開けて、由香里姉さんの顔を見てる。
どうしよう……。
なんだか間がもたないわ。

何かいわなきゃ!
でも、なんて……?
1.由香里姉さん、結婚おめでとう!
2.由香里姉さんたら、冗談ばっかりいって!