晦−つきこもり
>七話目(前田和子)
>D22

そうだわ。
赤い靴の子が書いたお札を使えば、時間が稼げるかもしれない!
「和弘さん、見てください! あなたのおばあさんが書いたお札です!」
「『おかあさんをかえして』だろ?
知ってるよ」

「違います、お札は、もう一枚あったんです!」
「嘘をつくな!」
「本当です。『華』って名前が書いてあったんですよ!」
「……なんだって?」
赤い靴の子のお札は二枚あった。
片方には、和弘さんのナイフが刺さっている。

もう片方は、さっきの乱闘で下に落としてしまった。
どうしよう。
どっちが、もう一枚のお札だかわからない。
ナイフが刺さっている方を差し出そうか?
でも、それが間違ってたら……。

もう片方のお札を拾って、懐中電灯で見てから渡そうか。
でも、そんなことをしている間に刺されたら……。
どうしよう?
1.手元にあるお札を見せる
2.落ちたお札を確認してから見せる