晦−つきこもり
>七話目(前田和子)
>I19

……怖い。
私は、思わず和弘さんを見た。
「懐中電灯、あったんだ?」

和弘さんが、近付いて来ようとした。
何か隠すように、右手を背中にまわしている。
懐中電灯を向けると、そこから光が反射した。
銀色の……ナイフの刃!?

「ああ、ごめん、驚いた? このナイフ、泰明の胸に刺さっていたんだよ。

これを使った黒い影とやらの手がかりがないかと思って、調べていたんだ」
和弘さんが、ナイフを持った右手を出した。
1.驚かさないで
2.嘘よ、殺される!