晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>I10

「別に助けてくれなくってもいいです」
だって、信用できないんですもの。
霊を面白半分に扱ってるのはこの人の方だわ。
「そうか……。君は、自分たちの罪を認め、罰を受けようと思っているんだね」
……えっ?

そんなつもりはないんだけど…………。
「僕は、君のその素直な心に感動したよ。よし! 僕も、君たちを助けるために一肌脱ごうじゃないか」
うーん、なんだか変な展開だけど……。
まぁ、いいか…………。

死霊たちの怨念は、どんどん膨れ上がってる。
僕の力をもってしても、押さえられないかも……。
だが、僕はやってみるよ。
葉子ちゃん、君のために……。
さぁ、死霊たちよ。
おとなしく、土の下へ戻るんだ。

ぷにょろんぷるぷる、ぷにょろんぷにぷに……。
キェーーーーーッ!!
……………………………………… ……………………………………… ……………………………………… …………………ハァハァ。
駄目だ…………。

僕一人の力じゃ、とても押さえられない。
葉子ちゃん!
君にお願いがあるんだ。
死霊を鎮める一番の方法……。
それは……。
芸を披露することだ!!
落語でも、漫才でも、歌でも、踊りでもいい。

とにかく芸を披露して死霊の怒りを鎮めるんだ。
ぜひ君に、それをやって欲しい。
この死霊たちを鎮める方法はそれしかないよ。
どうかな、やってくれるかい?
1.やってもいい
2.やりたくない