晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>N4

……聞いたことないわ。
<チッチッチ、いけないなぁ、そんな嘘をいっちゃあ……。ちゃんと君は聞いたはずさ。君の大好きな泰明さんの口から……。そうだろう?>
……はっ、そうだったわ。
泰明さんの言葉を忘れちゃうなんて、私ったら疲れてるのかしら?

<そうだ、君は疲れているんだ。
どうだい? このあたりで気分転換に僕とデートっていうのは?
……って、そんなわけにもいかないんだ。今、君たちのいる開かずの間の外には有象無象の死霊が集まってきてるからね>

……えっ!?
ほ、本当なの?
<ああ、本当さ。ほら、耳を澄ましてごらん。聞こえないかい?
苦しげな死霊のうめき声が……。
床や、壁や、天井を叩く音が……>
1.聞こえる
2.聞こえない