晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>Q2

……あの、さっき何で私を怒ったんですか?
<おいおい、それより先に聞くことがあるだろう?>
……はぁ?
<普通は、まず名前を尋ねるものじゃないか! その他の質問はその後!>

……でも、一つしか聞けないんだったら、名前よりも怒られた理由の方が……。
<ああもう! うるさいなぁ、わかったよ、その質問にも答えるから、さっさと僕が誰かを聞いてくれよ。もちろんその時は、自分が先に名乗るんだよ。最低限の礼儀として、いいね?>
……はい、はい。

ええと……、私は前田葉子と申しますが……。
<もう知ってるよ>
……く、く……名乗れっていったのはそっちなのに。
<ほら、早く!>
……あなたは誰なの?

<チッチッチッ……、違うんだなぁ聞き方が。君……、それが人にものを頼む時の態度かい? まぁ、いいや。僕は心の広い神様のような人だからね。特別に答えて上げよう。僕は……、通りすがりの美少年さ!>

……………………………………… ……………………………………… ……………………………………… …………………はっ!
何かしら?
今、意識が一瞬、途切れたような……。

<ふっふっふ、信じてないな。まぁ、しょうがないだろう。君はまだ、僕の姿を見てはいないからね>
……………………。
<よ、よし。さっきの質問に答えるぞ……。ええと、なんだったっけ?>
……さっき、私を怒った理由は?

<おっ、そうだった。よーし、答えてやろう。いいかい? 君たちは今、とてつもなく危険な状態に置かれてるんだよ>

……何ですって?
どういうことなの……?
<七回忌の晩、怖い話をすると死者が蘇る……。
そんな言い伝えを、聞いたことがあるだろう?>
1.聞いたことある
2.聞いたことない