学校であった怖い話
>二話目(岩下明美)
>B11

そうね。
あんたは、人の忠告は聞くんだものね。
そうよ、彼女の忠告を聞かなければならないわ。
あんたは、振り向いてはいけない。
何があろうとも。
あんたは、私に言ったんですもの。
人の忠告は聞くって。

嘘はつかないでね。
嘘をついたら、殺すわ。
私は、嫌なの。
嘘をつく奴が、許せないの。
いいわね?
……あんたは、振り向かなかった。
それでも、恐怖は消えないわ。

一歩一歩と足を踏み出すたびに、あんたの全身を恐怖が染め抜いていく。
そして、あんたの首筋に巻きつく女の子の手が、何だか締めつけてくるような気がしてきたわ。
何だか、とっても息苦しい。

歩く震動に合わせ、彼女の手は間違いなく首を締めつけてくる。
細く、冷たく、固い指が、がっちりとあんたの首に絡みつくのよ。

振り向けば、彼女は消えてしまうかもしれない。
振り落とせば、彼女から逃げられるかもしれない。
どうする?
1.振り返る
2.振り落とす
3.何もしない