学校であった怖い話
>四話目(新堂誠)
>A6

「行くぜ。何、お前らびびってんだよバーカ」
畑中は、無理に強がって見せたんだ。
本当は怖いのに、何ともない振りをした。
畑中にそういわれ、ほかの連中も仕方なく合宿に参加することにした。

合宿に参加しなければ、何をされるかが怖い。
裏切ろうものなら、畑中が何をするかわからないのは、みんなが誰よりもよく知っていたからな。
地獄の合宿が始まった。

畑中たちは、誰も例の場所には行かなかった。
そりゃあ、行けるわけないさ。
行って、何か起こったら嫌だからな。
畑中たちは、しごきにしごきまくった。

倒れる奴がいても、決して許さなかった。
そして、一人、また一人と脱走者が続いた。
それでも、この合宿を乗り切った奴らが、次の時代を作っていくと思えば、自分のやっていることは十分に正当化できたし、罪悪感もなかった。

「あれ? このグローブ……」
その日の練習を終えて、ふと汗をふこうとタオルを見ると、やけに薄汚いグローブがおいてあるじゃないか。
誰のだかわからないが、自分のものじゃないことは確かだ。
いったい誰が……。

「うわあっ!」
つまみあげて、畑中は大声を上げた。
そのグローブをつかんだ瞬間、ぬるぬるとした生暖かい感触があったのさ。
そう、その感触は血だ。
「……こ、これ、赤坂のじゃねえか」
畑中は、体の震えが止まらなかった。

そして、その場を逃げ出したのさ。
それから、落ち着いて考えた。
あれは、本当に赤坂のグローブだったのか。
それとも、誰かのいたずらか。

いや、自分の見間違いかもしれない。
畑中は、どうしたと思う?
1.戻って確かめた
2.死体を埋めた場所に行ってみた
3.みんなに話した


◆三話目で荒井が消えている場合
3.みんなに話した