学校であった怖い話
>六話目(細田友晴)
>F14

嬉しいなあ。
やっぱり僕たちは友達だ。
いや、僕はもう君のことを親友だと思っているよ。
ぜひとも花子さんの謎を解明していい記事を書いてくれよ。
そうすれば、僕も鼻が高いからさ。

……たとえ僕が死んだとしてもね。
さあ、それじゃあ、行こう。
僕たちは、黙って席を立った。

ふと、教室の時計を見ると十時二十分を指していた。
やはり、さっきの話は本当なんだろうか。
少なくとも、あの時計は止まっている。
あの時計の裏には、ドクロのような染みがあるんだろうか。

暗闇にも目が慣れてきたせいか、月明かりだけでも十分行動できるようになった。
……でも、こんなことになるんだったら、懐中電灯を持ってくるんだった。
僕と細田さんは、二人そろって教室を後にした。

夏だというのに、風がとても冷たい気がする。
それは僕が怖がっているからだろうか。
ここは一階だ。

階段を上る。
なんて嫌な音なんだろう。
怨霊が、僕たちのことをあざ笑っている声に聞こえる。
僕たちは、二階を通りすぎ、そのまま三階への階段を上った。
階段を上り終えて、角を曲がれば左側に女子トイレがある。
僕たちは、角を曲がり、めざす女子トイレに……。

電気がついていた。
電気のつくはずのない旧校舎で、しかも花子さんがいるという女子トイレに電気がついていた。
「どうする? やっぱり帰る?」
細田さんが、僕の耳元でささやいた。

声はうわずり、かすれていた。
細田さんの身体が触れてもいないのに、彼の身体の震えが、しっかりと僕にまで伝わってくる。
僕も、身体の震えを抑えることができなかった。
どうする?
引き返すなら今だ。

そして、これが最後のチャンスだろう。
どうする?
前へ進むか?
それとも、もう帰ろうか。
1.女子トイレに行く
2.もう帰る


◆最初の選択肢で「2.いやだ」を、2番目の選択肢で「2.どうしてもいやだ」を、3番目の選択肢で「2.いやだといったらいやだ」を選んでいる場合
2.もう帰る