学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>R12

「うおぉっ!」
僕は、思い切り風間さんにぶつかった。
そして、目をつぶると無我夢中で腕を振り回した。

「MJVMGT!!!!!」
突然、風間さんはわけのわからない奇声を発し、どっと倒れた。
どうやら、僕はあの触手を引っ張ってしまったらしい。
そうか、あの口から生えている奇妙な触手がスンバラリア星人の弱点だったのか。

……それにしても弱すぎる。
こいつら、こんなに弱くて地球侵略とは、地球人もずいぶんと馬鹿にされたものだ。
しかし、これで危機は去った。
学校であった怖い話を聞きに来ただけのはずだったのに、いつの間にか僕は地球の危機を救ったヒーローになってしまったのだ。

でも、誰も気づいてはくれない。
僕は、孤独なヒーローだ。
いや、ヒーローなんて所詮はそういうものなのさ。
でも何だか、ちょっと嬉しくなってしまう。

……今考えると、部室に入ったときに流れていた異様な空気は、きっとこのスンバラリア星人が発していたものだったんだ。
はたして信じてもらえるかどうかわからないけれど、この体験談を七不思議の七話目にしよう。
何はともあれ、よかった、よかった。

それじゃあ、帰るとするか。

そう思って、僕が部室をでようとしたとき!
「うあっ!」
僕は、思わず部室の陰に隠れてしまった。
……なんだ。
……なんだ、なんだ。
今、何かいたぞ。

廊下を、こっちに向かって集団で歩いていたのはスンバラリア星人じゃないか?
見間違いか?
……そんな、馬鹿な。
これで、すべてうまくいって平和になるはずだったのに……。

どうする?
どうすればいい?
1.もう一度、確かめる
2.隠れる
3.風間の死体をうまく使う