学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>AK2

「今日は、お忙しいなかお集まりくださいまして、大変ありがとうございました。これで、大変おもしろい学校新聞ができそうです。それで、ちょっといいにくいのですが……。
申し訳ありませんが、これから風間さんと大事な話がありますので皆さんお帰りくださいませんでしょうか」
僕は、なかばヤケにいっていた。

「じゃあ、先に帰るぜ。二人っきりで遠慮なく話をしろよ。それじゃあおつかれさん」
みんなは、さっさと帰り支度を始めている。
仕方ない、僕が彼ととことん話をすると決めたんだから……。
いつまで、この決心が続くかわからないけど。

「おつかれさまー」
最後の一人が帰っていった。
さあ、これからが本番だ。
ここまで、覚悟を決めたんだから本当に風間さんが宇宙人であるか、ただの頭の変な人なのか、僕がはっきりさせてやろうじゃないか!

風間さんの態度に腹を立てていた僕は、ふざけ半分であんな態度をとっていたのなら謝らせるつもりだ。
本当の宇宙人だったり、本当に頭の変な人だった場合を抜かしてね……。

僕は、頭の変な人だと信じているけど。
いや、絶対そうだ。
風間さんは、さっきからにこにこしている。
やっと僕と二人きりになれたので、ますます顔がゆるんでいるのだろう。

「思ったより、君はだいたんなんだなぁ。もうちょっと、考えて行動してもらわないとね。僕達の任務がばれてしまったら困るだろう?
まあ、すぎたことだ。さあ、同志よ打ち合わせを始めよう」

風間さんは、嬉しそうにいった。
まさかとは思うが、いきなり暴れたりしないだろうか。
どのみち、話し合いでお互いが理解しあえないようだったら、僕はこの場から逃げるつもりだ。
僕は、彼を刺激しないように話を進めることにした。

いきなり、風間さんが宇宙人かどうかという核心に触れたら怖いからね。
「ところで、地球侵略計画が正式に実行に移されるのはいつなんですか?」
僕は、ちょっと突っ込んで聞いてみた。

「あれ、君は知らなかったのかい?
スンバラリア星のいたるところに、たれ幕が張ってあったじゃないか。
地球侵略まで、あと何日って……。
もう忘れたのかい?」
風間さんは笑っていった。

えっ、そんな話になっていたなんて聞いてないぞ。
いや、風間さんは完全に別の世界にいっているんだ。
「ああ、もうだいぶ前のことだからすっかり忘れちゃっててね。ごめんごめん」
僕は、いい具合に話を合わせる。

「まだ、日本語を話したいかい?
この国の言葉は難しいからね」
……ついに、わけのわからないことを口走り始めた。
また、さっきの意味不明の言葉を発するつもりだろうか。
どうする?
疑われるとまずい。

かといって、あんな言葉はなかなかしゃべれるもんじゃない。
これは、下手な答えは言えないぞ。
1.日本語をしゃべりましょう
2.そろそろ母国語に切り替えましょう
3.黙ってニッコリ微笑む