晦−つきこもり
>五話目(前田和子)
>J15

「だからさあ。ようするに、こーゆーコト。風間ってヒトはあ、ダンスコイサーでハンバーグキースーなわけ。わかりる?」
「……?」
和子おばさんは、あっけにとられている。
テキトーすぎたか。

「よくわからないわね。じゃあ、はっきりいわせてもらうわ。風間さんは、私のことを好きなの?
それが知りたいのよ。今度はちゃんと答えてよ」
……怒らせてしまった。
それと同時に、風間さんが語りかけてくる。

(……和子。怒った顔もかわいいよ。しかし、葉子ちゃんはアホだね。女の子にこんなことはいいたくないけれど、君は日本語の使い方がなってないよ。
わかりる?)
む、むむっ。
人のまねして。

むかつくーう。
和子おばさん、ほんとに彼は人気者なの?
(ひどいこというなあ、葉子ちゃんは。まあ、いいだろう。今は和子の問いに答えなければね。

……和子。私は、君のことが大好きさ。そう。だから……今度、デートしないか?
場所は……海がいいな。海は、男のロマンだからね。わかったかい?)
「葉子ちゃん、風間さんは何ていってるの?」

和子おばさんに催促される。
今度こそ、ちゃんと答えなきゃ。
でも、風間さんってわけわかんないからなあ。
うまく伝えられるかなあ。
……でも、いうしかないのよね。

風間さんは、和子おばさんのことが好きかどうか。
これが最後の質問だろうし。
生霊って、あまり長く体を離れていると、生命にかかわるって聞いたことがある。

風間さんの健康の為にも、降霊は早めに切りあげた方がいいのかもしれない。
さあ、和子おばさんに何ていおう?
1.他の質問もしよう
2.風間さんは和子おばさんが大好き
3.海は男のロマンだ
4.風間さんは私のものよ