晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>A1

今までに見たこともないような、強烈な光……。
そのあまりのまぶしさに、私はとっさに目を閉じちゃってたわ。
すると……。
<君たちはっ! いったい何てことをしてくれたんだっ!!>
突然、男の人の怒鳴る声が聞こえたの。

全然聞き覚えのない声。
「誰っ!? 今、誰か喋った?」
「なにいってんのよ、葉子。
誰も喋ってなんかいないじゃん!」
……ええっ!?
今の声は由香里姉さん?
また、私をからかってるのね。

「嘘よ! だって、今……」
<そうか、君の名は葉子ちゃんというのか。よし、メモしておこう>
……あ、ほら。
また、聞こえたわ。
「嘘じゃないさ、葉子ちゃん。
それに……何で目を閉じてるんだい?」

……え?
みんなは目を開けてるの?
この強烈な光の中で!?
私なんて、目を閉じててもまぶしい気がしてるのに……。

<ふっふっふ。いいかい、葉子ちゃん。
僕の声が聞こえるのは君だけ。あの素晴らしい輝きが見えてるのも君だけ。他の人には感じ取れない、特別な声と光なのさ。
どうだい、すごいだろう? 僕の声は君にしか届かないんだ。だから、君たちが助かるかどうかも全て君にかかってる。いいね?>

……はぁ。
あの……、一つ聞いてもいいですか?
<何だい? 一つぐらいなら答えてあげよう!>
1.あなたは誰?
2.さっき私を怒った理由は?
3.好きな女性のタイプは?