学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>5L3

僕はベッドの下をのぞいた。
暗がりの中で、光る二つの目が見えた。
「うわっ!」
叫んだのは僕だったのか、それとも奴か。
とにかく正気に戻るのは、僕の方が一瞬だけ早かった。

僕はベッドの上に飛び乗った。
「ぐえっ」
苦しそうな声が聞こえた。
「く、苦しい……どいてくれよう」

この声は細田だ。
いくら体の大きなあいつでも、僕もろとも、ベッドをひっくり返すのは無理だろう。

「僕を殺そうとして、待っていたんだな。残念だけど、やられるわけにはいかない」
薄いマットレスを通して、細田が身をよじっているのがわかる。
「アンプルがどこにあるのか、聞かせてもらおうか」
僕は、土足のまま、ベッドをバンと踏みつけてやった。

「や、やめてくれよ……苦しいよ。どいてくれたらいうからさあ」
本当に苦しそうな声だ。
僕は、ベッドからどいてやることにした。
別に、細田を痛めつけたいわけじゃないからな。
しかし、僕がベッドから降りた瞬間。

「うおーーーーっ!」
細田がベッドを跳ね飛ばした。
まだ、そんな力が残っていたなんて!?
固いパイプベッドが、僕にぶつかった。

カーテンを巻き込みながら、僕は窓ガラスに激突した。
ガシャーンとガラスが砕け散る。
幸運にも、カーテンがガラスよけの役目を果たしてくれた。
これがなかったら、僕は全身傷だらけになっていただろう。
細田は、太い腕を突き出して襲ってくる。

あれにつかまれたら、僕の力では振りほどけない。
僕は、散らばっているガラスの破片を取り出した。
とっさの行動だった。
手にしたガラスの破片を、思いっきり突き出す。
「ぎゃああっ!!」

ガラスの破片は、突き出した細田の耳をそぎ落とした。
「痛いよっ!
痛いよっ、僕の耳が!」
細田はわめきながら、手で血を止めようとしている。

どうする?
1.強気な態度に出る
2.謝る
3.慰める
4.逃げ出す