晦−つきこもり
>五話目(前田和子)
>P8

「それじゃあ、遠慮なく。あ、あの……。か、風間さん。あの、私、わかります? ダンスの会の和子ですけど。あのう、私って、どう見えます?」
(……和子さん、なんでそんなことを聞くんだい?
もしかして、わたしのことが気になっているのかい?

ふふっ……、これから君のことを、和子って呼んでいいかな?
和子、もっと近くにおいで。息がかかるくらいにね……)

「葉子ちゃん?
どうしてそんなにねっとりとした目で私を見るの?」
……和子おばさん、助けて。
自分の意志とは無関係に、体が動いちゃうの。
「葉子ちゃ……」
私は、和子おばさんの肩に手をかけた。

なんなの、これは。
風間さんの生霊がやっているの?
(……和子。君がどんな女性に見えるかって?
ふふ、素敵だと思っているよ。当然じゃないか。だから、いいだろ……?)

「葉子ちゃんっ? なんでそんなに顔を近付けるの? ねえ、風間さんは何ていってるの?」
和子おばさん、戸惑ってる。
困ったわ。
どう答えよう?
1.真実をありのままに
2.事実をにごして
3.ウソ八百ならべたてて
4.風間さんの言葉を誇張して