晦−つきこもり
>六話目(山崎哲夫)
>A8

やっぱり!!
葉子ちゃんは怖がりだなあ。
うん、かわいい、かわいい。
でもな、本当の恐怖はこれからなんだぞ。
嫌かもしれないが、しっかり聞いてくれよ。

裁判の日、自分はわけがわからないまま、両手を縛られた。
そしてンバンバ族に連れられ、またキリンの首のような塔に連れてこられたんだ。
昨日見た、ベールで覆われた場所の前に、三つの道具が用意されてあった。

一つは、ぐらぐら煮える湯が入った大釜。
二つめは、長い刃物と台座。
三つめは、何かの血が入った器だった。

ンバンバ族は、まず、議論をかわしあった。
そして、次に自分の方を向き、嫌な笑いを向けて、まくしたて始めたんだ。
どうやら、三つの道具のうち、どれかを選べといっているらしかった。

どうだい?
もし、葉子ちゃんが自分のような目にあっていたら、どれを選ぶと思う?
1.ぐらぐら煮える大釜
2.長い刃物と台座
3.何かの血が入った器
4.どれも嫌